こちらの話には性的な描写があります。18歳未満の方、苦手な方の閲覧はご遠慮ください。
黒崎は僕の返事を待たずに、僕のベルトを外して……服を脱がされてしまっていた。
僕の下半身は外気に晒され、その中で、恥ずかしいくらいに立ち上がった僕のは、充血して真っ赤になっていた。
先端から……透明な体液が、溢れている。
何でこんな事になっているんだ?
覚束無い思考では現状把握が限度で、それに対しての対処法など到底思いつかない、ただ視線に晒されて、とても居心地は不快だった。
ただ、そこが示すように、僕は、興奮していた。見て、実感した。皮膚がざわざわとして、感覚が鋭敏になる。空気が触れる事すら刺激になるほどに。僕は……黒崎の血を舐めて、興奮していた。
「……黒崎?」
黒崎も、何かを欲しいと言った。僕が黒崎に何をあげられるんだろう……。
君は、何を、したい?
僕は何をすればいい?
君が僕にくれるなら、僕は君の為になんでもしてあげる。君が僕に君の血をくれるなら……。
黒崎は僕の足の方でむき出しになった場所を見ていたけれど……
一瞬、黒崎は僕を見た。
そして、すぐに……。
「っあ……や、ぁっ、」
黒崎が、僕のを、口に含んだ。
ぬるりと暖かい感触に包まれた。
「あぁっ……やだ、黒崎っ、黒崎!」
迎え入れられた口腔内は温かく濡れていて。それだけで、僕は限界に近くなる。
何が……起こっているんだ?
「黒崎っ……やっあ、あ」
黒崎は、今何をしているんだ?
僕のを………それは、わかる。
何で、僕のを?
驚愕するはずの事態だって、頭では解っていたはずなんだ。
今、何が起きているのかは把握できてはいる。
何をしているんだって、そう怒鳴りつけるのが、本来の僕なんだろう。
想定外の出来事に頭が対応しきれない。いつも血を飲んでからは、芯がなくなってしまったかのように、緩い波の中に漂う意識に飲み込まれてしまうから……。
考えるよりも、それよりも……溶ける。
溶けて、しまう。
黒崎の口の中で僕が溶かされてしまう。
「ふ……ぁん」
黒崎にこんな事やめてほしくて、そんな場所……黒崎の頭を剥がそうとしたけど、力が入らない。指先も思うように動かせなくて、ただ黒崎の頭に手を乗せただけになってしまう。
初めて、触れた黒崎の髪は、思ったよりも柔らかい手触りなのだな、と関係の無いことは思ったのに、言いたい言葉が出てこない。
逃げようとしても、力が入らないし……それに、僕の腰を両手で掴んでいるから……動けない。僕が身体を捻ったって、びくともしない。
どうしよう。
僕の腰は黒崎の手で固定され、黒崎の舌が僕を舐める。ぬるぬるとしたその感覚に包まれて僕は溶かされる。
羞恥よりも……僕はもっと……。
暑い。
身体中が暑くて、熱い。
「や、黒崎……出ちゃう」
もう……限界。
このままじゃ、黒崎の口に出してしまう。
「黒崎っ……放せっ……放して!」
黒崎が、キツく僕を吸った。
「は、ぁっ………!」
上り詰めて、意識が上空で、弾けた、ような、気がした。弾けて拡散し、空気中に広がり溶けていく。
何だ……これ。
部屋中に拡散した意識が収束し、身体がようやく重力を感じて、僕は自分がベッドに沈み込んでいた事に気付いた。
……黒崎が、僕の、を。
口に、入れた。
「石田………」
「黒崎……ごめん」
君が放してくれないから、君の口に出してしまった。
離せって、僕は言ったんだ。
そう、頼んだのに……何で……。
「俺も、ごちそうさま」
僕は、恥ずかしくて、情けなくて、それで……でも我慢できなくて、そんなので、泣きたいくらいなのに。
黒崎は、笑顔で僕の顔をのぞき込んでいた。
………そう言えば、黒崎が吐き出した気配はない。
飲んだ?
飲んで、しまったのだろうか。
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20111023
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