性的な描写が含まれます。苦手な方、18歳未満のお客様は以下はご覧頂けません。 「ねえ……どんなふうにするの? 見せて」 後ろから、ポッターが僕の肩に触れた。 僕の耳に口を近づけて、僕を促す。 後ろから、ポッターの視線は僕が今弄っていた場所を捉えていたのが、わかる。だって、熱くなった。きっと、見られてしまっている。触れられてもいないのに、その場所が、熱くなる。ただ見られているだけなのに、自分で触る以上の熱に包まれるようだ。 刺さって痛いくらい。 後ろから回された腕が僕の身体に絡まった。 後ろから伸びてきた手は、僕の唇に触れる。 そっと、彼の指が、僕の唇をなぞる。 触れないでくれ、僕に触らないでくれ。溶けてしまう。 「……ぁ…」 駄目だ、と、わかっていた。こんな事をしたら、駄目だ。僕の今までの努力が……わかっていたから、だから僕はまだ冷静な部分があったんだ。 でも、自分が言うことをきかない。 僕の唇を撫でていたポッターの指をくわえる。口に含んで、指先を舌で包む。唾液を絡めて、彼の指を味わう。味なんてしないのに……不思議と、止まらない。美味しいって、思ってしまって。 「早く自分でしてみせてよ」 弾んだ、彼の声が、耳にも侵入して来る。それでも、嫌だった。そんな恥ずかしいことができるはずがない。あさましい恥態を見せられるはずなんかない。僕が求めてるだなんて思われたくはないんだ。 彼の指を口に含んだまま、僕は首を振った。ポッターの指に絡んだ僕の唾液が、僕の頬にまで広がった。 口の中でポッターの指が僕の舌をつついて遊んでいた。口の中で暴れる。 ゆっくりと彼の指が、出し入れされる。僕の中に出たり入ったり……して……。 「ご褒美、欲しくないの?」 「………」 「見せてくれたら、君の欲しいものをあげる」 欲しい……。 僕はお前が欲しいんだ。 僕の中にお前が欲しいんだ。 本当は、ずっと……こんな歪な関係じゃなくて、ちゃんと真っ直ぐに……そんな、僕を彼に見せることはできないから、教えることはできないから。 「自分で握って」 僕は声に促されるままに、また固くなってきた場所に手を伸ばす。 そっと触れる。 「……あ……」 先端から、僕の欲望が溢れ出していた。透明な液体はぬるぬるとしていて、汚ならしい。 自身を、手のひらで包む。情けないことをしている、恥ずかしいことをしているのは、解っていたけれど…… 「動かして」 声と一緒に、彼の熱い息づかいが僕の耳から入って、頭の芯を溶かし……逆らうことを忘れる。 僕は促されるまま。 「気持ちいい?」 僕は、いつものポッターの手の動きを追いかける。 強く握ったり、緩やかに触れたり。 ああ、ポッターが、見ている。 恥ずかしくて、自分でそんなことをしているのが、恥ずかしくて、それでもその視線が注がれて……僕の手と………。 見られている場所が熱くなる。彼の視線は僕を熱くする。触られているわけじゃないのに、それでも、熱い。 記憶の中にある僕のを触ってくれていたポッターの手は、最後、僕を生い立てて、追い詰めて……… 「っ…………!」 どくどくと、脈動して、溢れる。 手の内側に溢れている体液に、虚脱感とともに血の気が引いた……僕は、何をしていたんだろう……こんなんじゃ、ない。僕が欲しいのはこれじゃない。 「いっぱい出したね。そんなに気持ち良かった?」 「ポッター……」 気持ち、良くなかった。 だって僕の手はお前じゃないんだ。 僕はまだお前に触ってもらってない。 「ポッター……」 触って。 僕は、彼に手を伸ばす。だってまだキスもしてくれてないだろ。 足りない。足りないんだ、まだ、全然足りない。 身体を捻り、僕から、キスを。した。僕からこの唇に口付けるのは初めてだったけれど、それでも、僕はそうしなければ……止まらなかった。 自分でするなんて、嫌だったんだ。本当は、こんなことしたくない。 でもお前の事を考えると、熱くなるんだ。 自分じゃ、足りない。 お前がいないと。 ポッター、お前が、いないと。 僕は夢中になって、ポッターの口に噛みついた。肉食獣が、獲物を食べるように、夢中になって僕は彼の唇に、自分の唇でしがみついた。 何で、来てくれなかったんだ。 僕は待っていたんだ。 待っていて、触って欲しかった。 触って、僕を犯して、僕を滅茶苦茶にして、僕が壊れてしまうくらい、僕を求めてくれないと、嫌だ。 「マルフォイ……そんなに欲しかった?」 笑い声を含んだ声にも、僕はもう羞恥すら感じなかったんだ。 「忘れてた、ご褒美あげるんだったよね」 早く。 早く、って、僕は彼の首にしがみつく。 待っていたんだ、ずっと。 ずっと、お前が欲しくてどうにかなってしまいそうだった。 → 20130903 |