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 冷たく冷えた飲み物を買って、僕はマルフォイが待っているベンチに急いで戻った。

 別にマルフォイなんてどうだっていいし、どうなったっていいし、どうにかなって困ってたりしたら気分がいいんだけど。

 それでも、あんなに怖い思いをさせちゃったのは僕なんだし。僕はマルフォイが臆病だって事は十分知っていたんだし。心臓病の人が驚いて心臓麻痺起こして死んでしまったら、死んだ人が心臓が弱いことを知っていた人が驚かせた場合、それは殺人として扱われることもあるらしい。僕は十分マルフォイが臆病だって事を知っていた。それで、アレだし。いや、僕だってけっこうなダメージを受けているけどさ。

 でも、ちょっと貧血ぽかったし、それにマグルに一人できて、きっと心細い思いをしているんだろうし。


 置いて行かないでって……。

 僕は、思わずにやけそうになる顔を引き締めて、マルフォイがいるはずのベンチへ向かった。









 けれど、そこはがらんと、誰も座ってなかった。もともと誰も座っていなかったように、心地良い日光が照らしているだけだ。

 犬を散歩に連れて来た御老人が僕ににこやかに会釈をして通って行く。

 ここにいてくれって言ったのに。

 何か気になることでもあったのだろうか……。マグルは一人で来るのは初めてなんだろうから、なにかマルフォイの興味の引くものでも見つけたんだろうかとも思ったけど。あんな顔色で、あんなにふらふらで、ちょっと面白いものを見つけたからって行くはずがない。マルフォイは興味のないことにはまったく動かない事はよく知っているし、マグルに対してマルフォイが嫌いよりもむしろ関心がない事ぐらいは知っている。

 だから、よっぽどのことがない限りマルフォイがいなくなるなんて事はないんだ。
 
 




 なんで勝手にいなくなるんだよ。マグルのことなんかわからないだろ? 小心者の癖に好奇心だけは強いんだから。せっかく僕が飲み物を買ってきてあげたと言うのに。
 待っていれば戻って来るだろうかと思い、ベンチに腰を掛ける。

 もしかして、マルフォイは僕のことをからかっていたのか?
 マルフォイがいなくなって、僕が必死に探している所を見て、笑ってんじゃないのか?

 とか……思ったけどさ。
 だから……探しに行こうと思っても、何だかどこかで見てるんじゃないかって思って僕は動けないでいた。
 でも……それにしたって。







 遠くの方で、樹が茂る人気のない方で、なんだか声が聞こえた。

 あんまり心地よくない声色。怒鳴り声とか、そういう悪意の篭った声。





 あー、嫌な予感がする。





 耳を澄ませばやっぱりマルフォイの高い声。
 あと……低い男の声。何を言ってるかなんかわからなかったけど。





 行かなきゃまずいよな。
 何を話しているのかわからないけど。










080101
こんなに短い文章更新するのはプライドとしてどうなのとか思うけど少しでも進めておきたいとか言う欲求もあってこんなに短い文章ちょこっとだけあっぷしてごめんなさいだって明日仕事なのにもう4時とかだし眠いしだけど書きたいし更新したいしとかの妥協地点がこれ。