【Full Moon 2】 05
体重かけないように気を付けながら、それでも、石田潰して、皮膚と皮膚で触れ合って……直の体温。服の上からじゃなくて、直接感じる石田の体温。 薄くて固い身体なのに、石田の身体だと思うと興奮する。 骨ばってて、やっぱり筋肉ついてるから堅い身体だけど、それでも皮膚は柔らかいって思った。 「まだあったっけ?」 「そこ……。引き出しの、中」 初めては男同士でって、ほとんど予備知識ないまま繋がった。 女みたいに受け入れるように出来てないから、濡らさないと入れらんなくて、専用のジェルとかあるみたいだけど、さすがに買うためにレジに持ってく勇気が出ずに、石田の使ってたハンドクリームなんかで代用してる。 手を伸ばして、引き出し開けると、前に使った奴……が入ってた。 本当なら蝋色後始末とか考えると、男同士でもコンドームとか使った方がいいと思うけど……それも、買う勇気が出なかったりする。なるべく、出来るかぎりは外に出すようにしてる。 蓋開けて手にとって、石田の後ろの穴を解した。 膝を折って、足を広げさせて……そんな恰好を俺が、石田にさせてる。 こんな格好……石田がしてるんだと思うと……それだけで興奮する。思い出したくなくても、勝手に何でもない時に……授業中とかふと思い出して、マズイ時があるくらい、今また目に焼き付けてる。まだトイレに駆け込んだことはないけど、そんくらいマズイ。 中に入れると、石田の眉根がきゅって寄るのが、やけに可愛いとか思う。 中は、ハンドクリームと一緒に指先が熱で溶けそうに熱い。 指入れて、中にハンドクリームを擦り付けて、そのまま石田ん中の良いところ探す。 この前、見つけた。 そこを触った途端に石田の乱れ方が凄くて、中でも感じてるのわかった。なんか、ケイゴから無理矢理押し付けられたAVで見た女が演技してるって思ったのと、同じくらいの感じ方だった。身体ごと跳ねさせて、だらしなく開いた口から涎零れてて……。 石田が、わざわざ演技なんかするわけねえんだから……きっと、気持ちいいんだ。 その場所を見つけて刺激する。 「あ……んっ、やぁ……あ、やだ…ぁあっ」 指先で石田の内壁を撫でるように刺激すると、石田は身を捩って悲鳴みたいな嬌声漏らした。 「やだって、気持ち良いんだろ?」 逃げようとする腰を押さえつけて、そこを重点的に攻めると、立ち上がった先端から、透明な液体がとろとろと溢れ始めてるから、身体はこういう時に正直だから、石田が俺の指を感じてるんだって解る。 石田が、こんな風になるなんて……きっと誰も知らない。次の日に正気に戻ってる石田自身さえ知らないんじゃねえかって思う。 月に、一度だけ。 こんな手段でも俺は石田を手に入れることが出来る。 弱味につけ込んだ卑怯な手段だって解ってるけど、石田の性格じゃ俺以外の奴の血を飲むなら、限界まで我慢しちまうんだろうけど……こんな事でも無かったら、一生石田にこうやって触れる機会なんか無かった。 でも、卑怯でもなんでも、俺は石田に触りたかった。 どんな理由でもいいから、俺は石田を手に入れたかった。 卑怯な奴だって思われたって、身体だけだって、一時だけだって、石田は今、俺のものだから。 だから、交換条件だって、いいやって、思う。それでいい。 卑怯だろうと何だろうと実際、今、石田の一番近い場所に居んの俺だから。 もし、限界まで我慢させたらどうなるんだ? 俺が石田に血をあげなかったら? 苦しいだけで、飢えて死ぬわけじゃない、満月終わるまで我慢してりゃいいって言ってたけど。きっとそうなんだろう。俺が毎月献血するまでは誰からももらってたわけじゃなさそうだったし。石田の事だから、本当は俺からだって嫌だったに違いないけど。 俺は吸血鬼になった事もねえし、石田の他に吸血鬼の知り合いなんか居ねえから、満月になるとどうなるかなんてわかんねえ。 ただ俺が血をやる時の石田、目の色も変わってるくらいなんだ。いつもは漆みたいな深い黒なのに、満月の時だけ、血の色みたいに赤い目をする。 満月が近くなって血を飲まない時は、普段から白い肌が今にも倒れそうなくらいに青くなって、真っ直ぐ歩けないくらいにふらふらしてて、すげえ辛そうなの、わかる。 血を飲んでる時、本当に旨そうに飲んでる。俺なんかの血が旨いのかわかんねえけど、すげえ嬉しそうな顔する。 最初の頃より血を吸う量も増えたし、前よりもっと貪欲になってきてる気がする。それにしたって、大した量じゃないけど。でも、きっと気のせいじゃない。 もし、俺が血をあげなかったら? → 20111209 |