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三人 前







 夜も更けて、みんな寝静まった時間、何となくヅラを訪ねてヅラの部屋に行ったら、ヅラの部屋の前で苦虫食ったような表情をした高杉がいた……。

「……何してんの?」
「何って、てめえこそ何だよ」
「てめえにゃ用はねえって」
「……ヅラ、留守だぞ」

 ……またか。昨日も夜遅かったし、何やってんだか知らねえが、俺の想像通りだったら許せねえから、問い詰めなけりゃなんねえ。

 しかたねえから、ヅラに与えられてる部屋に上がり込んだ。とりあえず、ヅラに用があるから、俺は部屋で待たせてもらう事にした。
 部隊の陣頭指揮する立場のヅラは偉くなったもんで、ほとんどの奴は大部屋に雑魚寝だが、ヅラは一つ部屋を与えられてる。ヅラに用がある時以外でも、隣の奴のイビキが煩かったりすると、ここに避難することもある。ヅラがいなくても部屋の中にいるのは不自然なことじゃない。

 ただ、そうすると、高杉も同じように、ヅラの部屋の真ん中で座り込む……。

「何?」
「てめえにゃ、用はねえって」
「奇遇だな、俺もヅラに用があるだけだ」

 高杉とは、久しぶりに話した……ここ一週間は口聞いてないし、顔合わせても視線は合わせねえようにしてる。

 最近、街に出たときに見つけた美人なお姉さんと仲良くしようと頑張ってたんだけど、高杉も目を付けてたらしくて、ムカつくことに、お姉さんの前でかち合った。
 それ以来当然口を聞いてない。

 ヅラに言わせりゃ俺達は仲が良いらしいふざけんな。
 そりゃ、ガキの頃から三人分用意されたおやつ、俺と高杉は同じものを欲しがって、奪い合って……んでその隙にヅラが二つ食ってたりするのは、昔からだ。それがどうやったら仲いいのか、本当にヅラの頭はどうなってんだろう。

 隣に居んのもムカつくってのに……でも、今から高杉とか暗黙の休戦協定が結ばれたから、隣にいるぐらいは気に入らねえが、許してやろう。
 座り込んだまま、互いに口もきかねえで、どんくらい経っただろう。

 ホントまじでふざけんなって奴の影が、月明かりに照らされて、障子に映った。長い髪を持つヅラはシルエットで解る。足音を響かせないように歩く足音もヅラ独特のものだから、戻ってきたのはすぐに解った。

 そして疑いもせずに、障子を開けて、

「うわっ!」
 俺達が揃ってた事に驚いたようだ。まあ、そりゃ当然だろうが。

「よお」
「遅かったな」
「何だ、銀時と高杉。明かりも付けず、二人揃って何の真似だ。驚かすな」
 ヅラはさして怒った様子もなく、笑いながら部屋に入ってきて、羽織を脱いで衣紋掛けにかける。

「規範は遵守しろって言ってる張本人が、こんな夜中までどこ行ってたの」
「門限過ぎてんじゃねえか」
「外泊許可取ってねえだろ?」
「で、どこに行ってた?」

「………お前らは本当に仲が良いなあ」
 ヅラは俺達を見て、満面の笑顔で頷いて……浮かれやがって、本当にマジでふざけんじゃねえ!

「どこがだよ!」
「こんなのと似てるとか、名誉毀損もいいとこだ」
「おい!」
「あぁ?」
「昔からお前ら二人は、そう言う所がよく似ている。仲良しでいいなあ」
 ………これ以上高杉と似てるとか馬鹿にされたらたまったもんじゃねえから、俺は何かを言うのをやめた。

「ヅラ、くせえぞ。女物の匂いつけてくんじゃねえ」
「解るのか? さすがだな、高杉。まるで犬のようだ!」
「……てめえ」

 こいつ、何でこんなに上機嫌なの?
 いつも澄ました顔してるくせに、今にも鼻歌歌い出しそうなくらいに機嫌がいいとか、本気でムカつくんだけど……。

「で? 何か、俺達に言うことがあるんじゃねえ?」
 俺達の怒りを抑えらんない声を感じ取ったのか、ヅラはとっさに袖口で口許を覆った……唇の形を見た訳じゃねえが、下がりきった目尻で笑ってることが解る。
 ニヤついてんじゃねえ、腹立つなマジで!

「いや……銀時も高杉も袖にされた女性だがな」

 先日、高杉とかち合ったから、互いに牽制してただけでまだ振られてねえよ! 抜け駆けすんじゃねえって、まだどっちも手を出してねえだけだ。

「で、彼女が何?」

 俺と高杉が牽制しあってわざわざぶつかんねえようにしてたってのに、行ったらヅラがお姉さんと話してんのを見た……のが、一昨日。
 その日から、ヅラの帰りが遅い。

「いや、俺も彼女の儚げな笑顔が気になって話を聞いていたら、どうやら未亡人と言うではないか。俺も彼女をなんとか本当の意味で笑顔になってもらいたくてな」

 ヅラが仁王立ちになったまま、口許から腕を下ろして腕組みして、俺と高杉を交互に見てから、そんで頷いた……いちいち腹立つ。

「で?」

「で、彼女だが……俺と付き合うことになりました」

 ヅラは顔の筋肉全開まで緩めて、そんな爆弾を俺達に投げた。



「……はあ?」
「てめ! いつの間に!」

「いや、僻むな。俺が選ばれたのは仕方がない。男としての器が違うんだ」

 ……それ、抜け駆けってやつじゃねえか!
 俺も高杉も狙ってて、抜け駆け禁止って約束して……それを、てめえ、横から!

 いや、薄々は勘付いてたけど……やっぱりって事になるけど、やっぱりふざけんじゃねえ!


「銀時は最初からその死んだ魚のような目が信じられなかったらしいし、高杉は一緒にいてもつまらないのだろうな。その点、俺は女性にはやさしいし、この通りの容貌だ。しかも頭が良くて剣も立つ。非の打ち所がないとはこの事をいうのだろう。天は二物を与えるものだな」

 …………。

 浮かれ切ったようなバカみたいなニヤケた顔面晒して、ふざけた事言うヅラに反撃をしたい気持ち以上に、まだ空いた口が塞がんねえ。
 確かにヅラの面構えが整ってる事は客観的には認めてやるが、だけど、その前にヅラだぞ?

「……つまり、顔面で選ばれたって事だな?」
 こいつの見た目に騙された被害者はよく見かける……往々にして男ばっかだけど。

「つまり、顔面すら選ばれてない奴は、負け犬と言うことだな」
「……」
「…………」

 普通にムカつくわ、こいつ。相変わらず、ヅラはヅラだ。人の神経逆撫でるのが本当に上手だ。

「では、俺はそろそろ寝る。明日も彼女と約束があるんでな……ほら高杉。邪魔だ退け。布団が敷けん」
 ヅラは足で高杉を退かしてから、俺達の事をお構いなしに押入れ開けて、布団を出して敷き始める。
 そんで、俺達が居んのに、そんな事はどうでもいいらしく、着てた服脱いで、寝巻きに袖を通してる……。

 いや、ヅラがムカつくだなんてガキの頃からだし、今に始まった事じゃねえが……本気でムカついたわ。


「おい、高杉」

「……ああ」

「ん?」


 高杉がヅラが振り替える前に邪魔くさい長い髪の毛引っ張って足払いをかけた。

「っ痛!」

 バランス崩したヅラが布団に倒れ込む前に、俺が背後から受け止めた。そのまま、後ろから羽交い締めにして、布団の上に座る。俺の足の間に座らせて、動きを封じてからまだ寝間着の帯を止めてないヅラの服を剥いて、胸に手を這わせた。
 高杉もヅラの脚を広げて、両脇に抱え込んだ。

「なっ……貴様ら、何の真似だ」
「何の真似って、裸にひん剥かれて、この状態で何もクソもねえだろうが!」
「解んねえなら今から教えてやるって」

「ちょっ、待て! すまん! 交際が決まって浮かれていて調子に乗りすぎた! 俺が悪かった。謝る!」
「遅えって」
「あっ! ひぁっ……や、あっ、あ」
 高杉が下帯解いて、ヅラの脚を広げて、自分の指を舐めて濡らしてから、ヅラの後ろに指を突っ込んだのが見えた。
 まだ入口馴らしてもなく指を中に突っ込まれたヅラは、俺の腕の中で暴れた。仰け反るようにして、だから、ヅラの首筋が白い。
 俺もだから我慢せずに、ヅラの顔こっちに向けてヅラの口の中を全部舐めるようにして深い口付けしながら、ヅラの平坦な胸にくっついてる突起を二、三度撫でてから、強くつねりあげた。
「っん……ふっ……やめっ、んっ」
 痛いくらいが好きなんじゃねえの、どうせ。

 緩急をつけて触るとヅラの身体が跳ねる。いつも通り、感じやすい身体してんな、こいつ。

 こうしたの、俺達だけど……。
 部隊編成すんのに、作戦は俺とヅラが組むこと多いから、まあ、ほとんど俺なんだけど……ヅラが高杉と組んでる時は、高杉に俺と同じことしてもらってんのは知ってるし、俺達が三人で組む場合は、必然的にこうなる……高杉も遠慮っての覚えりゃいいのに。

 耳にかぶりついて、舌を耳の中に突っ込むとヅラは引きつったような声を出して、身体を震わせた……あれ? 耳、こんなに感じたっけ、こいつって、
「やだっ……やだ、そこっ……やだ、ああっ」
「……ち」
 何だよ! 高杉の方かよ。
 高杉がヅラの中に指突っ込んで激しく動かしてんのが見えた。ヅラの脚広げて脇に抱えてるけど、かなり暴れてるみたいだ……って、そんなに感じてんのか? 立ち上がった先っぽからダラダラとみっともないほど零してる……そんなに感じてんの? 俺じゃなくて、高杉の指に?

「で、彼女と、やってきたわけか? ちゃんとこっちは、触って貰えたのかよ」
「……」
 うわー、晋ちゃん、ガチギレてるわ……。
 俺も怒ってんだけど、俺もどんくらい怒ってんのか解らせてやった方がいいんだろうなって、思ったから普段だったら弱い首筋を舐め上げたけど、さすがに中の方が気になるらしくて俺には無反応……とか、ムカつく。

「そんな所……女性とできない哀れな貴様らの場合の代替だろうが。女性と致す場合に、使う必要がないだろう?」
 荒い呼吸を殺して、不敵な笑みまでしやがって、自分が今どんな状態なのか解ってんのか、こいつ。

 そっか……やって来たのかよ!
 その事と、ヅラが必要以上にムカつくことが解りゃ十分だ。つまり、俺達が手加減してやる必要はねえよな。

「ひっ……っあ、あ、あぁっ!!」
 俺もヅラを気遣ってやる必要はねえって理解したが、高杉も同じだったようで、高杉が中弄ってた指増やしたのが、何となくわかった。

「で、どんな風にした?」
「やっ……も、助けっ……イきたい、触って……」
 相変わらずねちっこいな、高杉は。ヅラの弱い場所ばっか攻めて、前はさっきから一度も触ってないのに、限界まで立ち上がって、高杉が中で指動かすたびにびくびく震えてる……前触んないでも、後ろだけでいけるんじゃねえのか?

 ヅラが我慢できなかったのか、自分で触ろうと伸ばした手を、俺は捕まえた。
「残念。こっちは、オアズケ」
 相変わらず細い手首。腕も、腰も、俺達なんかより、一回りも細い。俺の片手だけで両手首を捕まえられる。
 こんなんで、人間の三倍くらいありそうなでかい天人も一刀両断にできる力がある。鬼の名は俺や高杉が受けてるが、俺に言わせりゃこいつも十分な化物だ。

「っ……銀時……頼む」
 ヅラが首を捻って俺を見た。苦しそうな顔で、目に涙なんか溜めて俺を見んじゃねえよ。
 そんな態度、やめろって! そんな事されたら、お願い聞いてやりたくなっちまうじゃねえか、触って、今すぐイかしてやりたくなるだろうが!

「……ヅラ? お願いって、どうやりゃいいんだっけ?」
 正気の時は可愛げの欠片すら見つからねえが、こうやって身体中が熱で溶け始めると素直に言うことを聞いてくれる時に仕込んだ。おねだりする時の態度ってもんがあるだろって。
 俺の頬に唇を押し付けてから、猫みたいに俺の頬を舐める。俺の唇を見つけると、その熱い舌先が、俺の唇を割って中に入ってくる。

「銀時……お願い、だ。苦しい……触って」
「……よく出来ました」
 ヅラがちゃんと出来たから、俺がヅラをイかせてやろうって、ヅラの股間に伸ばしかけた手は……高杉に弾かれた。

「おい、銀時」
 高杉がすげえ目で俺を睨んでる。別にイかせてやるぐらいいいんじゃねえの? 相変わらず陰険な奴。

「ヅラ。目つきの悪いチビが、駄目だってさ」
「……え?」
 じわりと目が潤む。いや、俺じゃなくて、悪いのあっちね?

「高杉……」
 ヅラは俺が握ってる手を振りほどこうとしてた。高杉に伸ばしたい手だっての解ってるから、絶対に離してやんねえ。
 起き上がって、高杉にも俺が教え込んだおねだりをしようとしてんのは解った。させるわきゃねえだろうが! てめえはこっち見てろよ。って思ったから、ヅラの顎掴まえて、深く舌を差し込んだ。
 わざと高杉にも聞こえるような音を立てて舌を絡めてると、急にヅラの身体が強張った……何?

「ひっ、やぁ……痛、やめっ……」

 高杉はイかせないように、根元強く握って、でも中を弄る手は止まってない。やられた事ねえけど、結構痛いんじゃねえのかって思うけど、関止めらんなかったらしい先走りはまだダラダラ溢れてるから……そっか。気持ちいいのか。

「ちゃんと彼女に言えよ。俺は乳首つねられて悦んで、ケツの穴に突っ込まれて感じる変態ですってな!」
「ん、たかすぎ……ちがっ……あ」
「違わねえだろうが。こんな、漏らしやがって」
「っ……もっ」
「どんなんだった? 彼女とは? どんなふうにやったのか言えって」
「まだ……」
「あ?」
「まだ、だ! まだやってない! まだそこまでの関係じゃない!」

「……え」

 ………何だよ。なんだ、まだ、か。
 心配して損した。

「へえ……」

 良かった。
 って、なんか、ほっとした。

 ヅラがまだやってねえって、まだこいつ、つまり俺達しか知らねえはずだ。
 お付き合いはする物の、結局最後で狼になれないヅラは、今の所、俺が知る限りじゃ、まだ童貞のはずだ……俺達とはこんなことやってるけど、ヅラはまだ俺達以外の物じゃねえ……。


 ……って、何で今ほっとしたよ、俺!

 いや、違う、ほっとしたであってる! それが正しい! 彼女はまだヅラのお手付きじゃねえ! 今後、俺が彼女をかっ拐う事ができたら、ヅラと穴兄弟にならずに済んだ! よし、間違ってねえ!


「へえ、そっか。まだかよ。驚かせんじゃねえって」

 高杉の顔見たら、あからさまに安心した顔で、さっきまで眉間に刻まれてた深い谷間は無くなってた。きっと、今俺、高杉と同じ顔した。
 その顔、本当は見たくなかった。その顔見たら確信しちまうから、見なけりゃよかった……つまり、高杉も、同じなんだ。




「ほら、出せよ」

 高杉がヅラの根元握ってた手を、強く動かしたから、



「ひぁっ……あっ、あ――……」




 ヅラの身体が跳ねる。
 ヅラが、イった。

 そのままヅラの白い肌に白濁した体液が勢いよく出た。
 ヅラの腹だけじゃなくて、前でヅラの手首握ってた俺の手にもかかった。熱い温度だった……、ヅラの手を離しても、もう抵抗なんかする気力もないらしくて、そのまま布団の上に落ちた。

 俺の腕の中で、ぐったりと体重を全部俺に預けて、ヅラが苦しそうな呼吸を繰り返しながら、身体を震わせてる……俺はヅラの腹にかかったヅラの精液を指に絡める……だいぶ出した。ここんとこ、御無沙汰してたけど、こんなに出しやがって。
 俺の手、じゃなくて、高杉の手で……。

 今、俺の腕の中に居んのに、高杉の手でイってんじゃねえよ! さっきから、高杉にばっか感じてんじゃねえよ!

 ガキの頃から高杉とは同じもん欲しがって喧嘩して、それをヅラが見て笑ってた。時々は仲裁に入って、三人で殴り合いの喧嘩になったこともよくある……ガキの頃と同じなんだ。結局俺達変わってねえんだ。
 今、俺と高杉は、一人っきゃいないヅラを抱きしめる権利が自分のじゃねえから、それがムカついてんだ、お互い。
 俺の顔は、見られなかったはずだ。知られたくねえ。


「っ、わ……」
 俺は、ヅラの腰を引っ張って、前に倒した。ヅラはそのまま高杉に向かって倒れ込んでったけど、知らねえ。


 ヅラのケツを高く持ち上げて、ヅラの出した奴俺のに塗りたくってから、今高杉が散々弄り倒した入口に押し当てる。
「やっ……銀時、まだっ!」
「あ? 知らねえよ。次は俺の番でいいだろうが!」

「銀時っ! てめえ、勝手に……!」
「るせ! 次にしろ」
「ざけんなっ! てめえ、見てただけだろうが」
「ずっと押さえててやっただろうが!」
「ほとんど何もやってねえだろうが!」

「なあ……ふざけるな、は、俺の台詞で良くないか?」
「「てめえは黙ってろ!!」」

 思わず口にした言葉は、高杉の声と重なったから、めっちゃ気分が悪くて顔をしかめたら………笑ってんじゃねえよ! ヅラは下を向いてたけど、身体が震えてんのは、絶対に笑い堪えてるからだ。

 何余裕こいてんだって思うとムカつく。こっちはずっとさっきから怒ってんだって解ってんのかよ。
 今俺が、そんな余裕無くしてやる。

「っあ――……!!」

 俺は、ヅラの細い腰捕まえて、一気に押し込んだ。

「く、あっ、あぁ……」

 相変わらずヅラん中、キツイ。んでも、柔らかくて熱いくらい温かい。意識が全部持ってかれそうになるくらい気持ちいい。
 これ知ってんの、俺だけじゃねえっての、本当は許してたくねえのに……。


「んじゃ、ヅラ。口開けろ」
 高杉がヅラの口元に自分の押し付けてたけど、ヅラは嫌がるように首を横に振った。そうだよな、口じゃしねえよな。

「断る。貴様の、粗末なモノは、俺の口には合わん」

 ……本当にこいつ、達者な口をしてんな。
 俺は思わず笑いそうになったけど、笑ってる場合でもないから黙った。俺も同じだって知られるわけにゃ行かねえ。

 だって、もともと口ですんの好きじゃねえもんな、こいつ。俺だって口でやってもらった事ねえ……高杉だってそんくらい知ってんじゃねえの?

 少しだけヅラの口が開くの待ってたけど、すぐに高杉は溜息を吐いて諦めた……良かった。高杉もまだやってもらった事ねえんだ、きっと。それにやたらと安心してる俺がいる。ヅラにとって俺は、今はまだ高杉と同じレベルだ。



「………銀時、さっさとイっちまえ」

 るせ! てめえと違って早漏じゃねえ! って言ってる余裕、無かった。

 今ヅラの中感じてるので忙しいから、返事してやんのは後でだ。


「っ……あ、あぁ、ぎんときっ……っ」
 今、俺だって解ってるよな。

 ちゃんと俺がヅラん中に居るって解ってんだよな?

 高杉とヅラが、いつもどうやってんのか知んねえけど、俺の方が気持ちいいよな?


「やぁ、銀時っ……ん、」
 こうやって、俺に突っ込まれてる方が似合ってんのに、何で他の奴に目が向いたりすんの?

 高杉だって本当は許せねえのに、何で他に目を向けるんだ?


 本当は、俺のものだけになってくれりゃ、いいのにって……。


 昔から、俺はヅラが俺のことどう思ってのか、一度も聞いたことない。


 俺も、一度も言ったことない。


 本当は、俺だけでいいんじゃねえのって……ヅラが俺だけにすんなら、俺もヅラだけにしたいって思ってるけど……ヅラがどう思ってんのか、そもそも何考えてんのか、俺は知らねえ。









20131110