この話には性的な描写が含まれますので閲覧は18歳以上の方を対象にさせていただきます。
どうしよう……。
身体が、暑いのが、解る。
重心がぐらつく。
「……阿散井……僕、なんか変」
身体が、熱い。
何でだろう。
「阿散井……」
力が入らない手で、僕は阿散井の首に腕を回した。そうしないと、倒れてしまいそうだ。ふらついた僕を支えながら、阿散井は一緒にベッドの上に腰を下ろした。
「大丈夫だから」
このまま、よっかかっているままじゃ……カッコ悪いから、まだ重心は定まらないけれど、少し大勢を立て直そうとした時、阿散井が、僕の膝裏に腕を差し込んで、軽々しく持ち上げられた。
僕の身体は阿散井の膝に乗せられた……って。なんだよ。
「わっ」
バランスが崩れて、僕は慌てて阿散井の首にしがみついた。
「ちゃんと、捕まってろよ」
見るだけじゃなくて、こうやって阿散井の体に触れて、腕を回すと……本当に阿散井はがっしりとしていた。もし僕が本気で抵抗しても、たぶん押さえ込まれてしまう。
阿散井の足の上に座っているのに、体格が違うから僕はすっぽり収まってしまう
「あ、阿散井っ! あの…」
「大丈夫、優しくするから」
僕の抵抗なんてものともしないで、するりと下着ごとパジャマを脱がされてしまう。
肌が、剥き出しになる………。
僕のそこは……もう立ち上がっていて………。
恥ずかしくて見たくない。
だって、キスしただけだ。
阿散井とキスしただけなのに……僕のは……。
阿散井の手が、僕のを包み込むように触る。そんな所に、触られたことなんてなかったから……
「阿散井っ! そこは」
「大丈夫だって」
何が、どう大丈夫なんだよ! そう言いたいのに、急所を握られているこの状態で、僕の口から出たのは、声にもならない声だった。
「んんっ……あ…はっ、んぁ」
ゆるゆると握られて、そのまま上下に動かされる。
「ぁ……ぁあっ……ふっ」
堪えようとしても漏れ出す声をどうする事も出来ずに、僕は阿散井の肩に噛みついた。
触られた手の熱さを感じる度に、体温が上がるような気がする。
身体の中に熱が血管を通して広がって暴れてる。
おかしい……変だ。
自分でも触った事だってある。滅却師だからって、一応普通の人間の生体なので、性欲くらいは普通に持ち合わせていて、あまり好きじゃないけど、自慰行為をしたことは、ある。好きじゃないけれど、汚い行為だって思っていて、できる限りすぐに終わりにしたいと思っているけれど。自分で触ったことがないわけじゃない。
でも、こんな風にならなかった。
自分で触っただけじゃこんな風に、苦しくない。すごく苦しい……苦しいのに……。
無意識に、自分の腰が揺れている事に気付いていた。
「あっ……ん、ぁ……」
阿散井の手付きが早くなる。
僕はどんどん高められる。
上る。
意識が凝縮されて、登って行く。
そこの刺激が全身に広がって暴れる。
上る……登って……
「ー―………っ!」
身体中が跳ねた。
僕は、阿散井の手の中に吐き出した。
僕の先端から体液が溢れる度に、僕は身体を震わせた。
「はっ………ぁ」
力が抜けて、阿散井にしがみついていた腕がほどけて、僕はベッドに沈んでしまう。
まだ、頭に靄がかかっているような……真っ暗な部屋で急に電気をつけたように、世界の色彩が強くて目眩がする。
「あ……阿散井……ごめ」
手の中に、出してしまった……から……。
少し頭を持ち上げて阿散井を見ると、阿散井は僕の白くてどろりとした液体で汚れた手を見ていた。
それを……阿散井は……口に含んだっ!
「なっ……阿散井っ!」
「いや、勿体ねえかと思って……」
「勿体無くない! ティッシュっ! ティッシュあるからっ!」
僕は、テーブルの下にあるはずのティッシュを探そうとしたけど、片手で押さえ込まれた。
「ん……いいや。やっぱり勿体ねえ」
勿体無くないよ。だって、そんなの……汚いだけだ。
「ちゃんと拭いて捨てろよ、そんなの」
「でも、お前の、だ」
僕のだから? もしかして、……一回だけ……だから?
次は無いから?
僕もそうなったら、黒崎と一回だけって条件で繋がる事が出来たら、そんな風に、黒崎のを舐めてみたいとか思うかな………
………いや、思わない!
流石に男の精液を口にしたいとは思わないっ! ごめん黒崎。君の事は本気で好きだ。君を本当に愛しく思っているけど……だけど! 人間にはできることとできないことがあって、やってやれなくはないかもしれないけれど、命に関わる危機でない限り、絶対にやりたくないと思ってる。
「……阿散井」
だから、阿散井が、そんな風に僕を思ってくれるのが痛くて。
「んな不安そうな顔すんなよ」
「ごめん」
好きなのが君じゃなくて、ごめんなさい。
「謝るなって」
阿散井がもう一方の手で僕の頭を撫でたから……その手付きが優しくて……。
「大丈夫だから、任せとけ」
「………うん」
阿散井が、僕の上にのしかかるようにして僕を見つめた。
赤い。
不思議な色が僕を見ていた。吸い込まれて、しまいそう。
「阿散井……電気……」
「消すの? 可愛いから見てたいけど」
「……可愛くないからっ! 消して!」
阿散井はぶつぶつ言いながら、電気を消したけど………。
消すと……なんだか、より意識が……目の前の身体に行ってしまう。いや、見られたくないし、お風呂上がったあと、眼鏡かけてないから僕だけ見えないのは不公平だし、消して貰っていいんだけど……
阿散井の手が、僕のパジャマのボタンを外す。見えてないのに……なんだかとても意識してしまって……。
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20120915 |