「ドラコ!」 「わあっ!!」 帰ろうとしてノブに手をかけようとした扉は、壊されそうな勢いで開けられた。あと少しのところで、僕にぶつかるところだった。 「やっぱり、ここにいたんだ! よかった!」 「危ないじゃないか! ぶつかるところだっただろう!」 反射的に怒鳴ってしまって、僕は慌てて顔を背けた。 今、泣いていたから、きっとひどい顔をしているし、目も晴れているはずだ。こんな顔、ポッターに見られたくない。慌てて袖口で目を拭ったけれど、気づかれてしまっただろうか。 それに……なんで、来たんだ? ……来るはずなんかないんだ。 彼がここにいるはずなんか……。 「マルフォイ、良かった、すぐ、見つかって……探したんだ。追いかけて、見失っちゃったから、でも、ここに、いるって、きっと、思って」 とても荒い呼吸をしていたから、ポッターは走ってきたのだろう。僕はここまでの抜け道を知っていたから、真っ直ぐに来てしまったけれど……。 「……ポッター」 本当に、来たのか? これは、僕の幻覚か? だって……ポッターは僕じゃなくて彼女を選ぶんだろう? その証拠に、ここに来なくなったじゃないか……だって。 僕は彼に何も与えていない。今更何を言えばいいのかすらわからない。 ポッターは、後ろ手に扉を閉めて、僕に近づいてきた。 ゆっくり、一歩、一歩。 その動きがやけに緩慢に感じた。 僕を、選ぶ、つもりか? だとしたら、相当な覚悟が必要なはずだ。だって、さっき、僕は涙を見られてしまった。きっと、気づかれはずだ。僕の気持ちが、解ってしまったはずだ。 もし、僕を選ぶなら、早く、僕を抱き締めて、僕を安心させろよ。 僕を好きだと、いつもみたいに、僕の耳に囁けよ。 僕が壊れるくらい、抱けよ。 「……ドラコ」 近づいてきた、彼に恐怖。 僕は、それが怖かった。 いつもみたいにされることを望んでいたんだ。 いつもみたいに抱き締められることを………。 それが、怖かった。 だって……。 「もう、やめないか?」 もう、やめてくれないか? お前がいつか離れていくのに、僕はその未来が現実だと知っていて、僕は我慢していることができない。気持ちを伝えることもできないまま、ここで待っていることしかできなかった。 もし、今回僕を選んでくれたとしても、次にまた同じ恐怖に僕は耐えられる自信がない。 これが限界だ。これ以上は……。 「ドラコ?」 「いい加減、つきまとうのはやめてくれと、言ったんだ」 お前がいつか、いなくなるなら、僕から離れていくなら、今がいい。今なら、僕はもう覚悟は出来ている。 お前の気持ちを徐々に僕から離れていくのを、僕は見ていることなんか出来ない。 一秒でも長く僕の元に引き留めておきたいんだ。 矛盾している。 そんなことくらい、解っていた。最初から僕の態度が全部矛盾していた。 素直に、心のままにポッターの胸に飛び込むことができなかったから……僕が、ただ、ひどく臆病だったから……。 もしお前を失うなら、今ここでが、いい。 僕はこの部屋を離れない。卒業するまで、僕は誰にもこの場所を譲るつもりはない。僕だけの空間を、僕だけの思い出で埋めて、僕がこの学校を出ていく時は、誰にも見つからないように、誰も、この部屋を僕の思い出を壊さないように、部屋自体を消してしまう魔法をかけよう……それが、せめてもの僕の気持ちへの弔いだ。 「ドラコ……何、言ってるの?」 「いい加減、お前の暇潰しに付き合うのが嫌になった」 ずっと僕はポッターを見ていたんだ。ポッターの視線に熱がこもっていたことくらい、僕だってわかっていた。僕への告白が中途半端な気持ちなんかでないことくらい、僕はわかっていた。知っていたよ、そんなことくらい。 でも、どうせ僕から離れていくんだろう? 「ドラコ……」 「これが、最後だ。もう、ここには来るな」 決別は、僕からにした。 いっそ、最後がいつか来るなら、僕が決めてやる。 だって、無理なんだ。僕に彼の気持ちを僕へ留めておく方法なんか、考えられない。どんなに勉強をしたって、そんな事はどんな書物にも書いていない。どんな有能な魔法薬を作っても、それは一緒のものじゃないし、本物の気持ちじゃない。だから、無理なんだ。いなくなる恐怖に耐えるくらいなら、僕は今ここで……。 ポッターは、僕へ手を伸ばした。 僕はそれに抱き締められたかった。 本当は、その腕の中に、飛び込んでしまいたかった。 彼の手が近づいて……止まった。 そう。 それでいいんだ。 僕の気持ちを一番に優先していればいいんだ。お前は……僕の言う事を聞いていればいいんだ。 醜い嫉妬なんか、している僕を見せたくない。僕は、僕のまま、お前の中で終わりにしたい。そうすればきっと…… 早く、出ていってくれ。 僕が、泣き出してしまう前に。 「……わかったよ。ごめん、マルフォイ」 ポッターが、後ろを向いた。 僕に背を向けた。 ああ、終わる。 終わってしまうんだ。 ポッターが、扉に手をかけて…… 「ドラコ、僕に何か言いたいことは?」 静かな声だった。ポッターは背を向けたまま、僕にそう言った。ああ、これが最後になるんだ。きっとそのための台詞なんだろう。 僕の気持ちは、きっと気づいてしまったに違いない。 ポッターの、彼なりの僕への同情で、哀れみなんだろう。 言いたいことなんて山ほどある。 好きだって。ずっと、お前が好きだった。 僕をずっと好きでいてほしいから、僕を見ていて欲しいから、僕も好きだって言ったら、すぐに飽きてしまうんじゃないかって……だから、 今更……。 「……さっきの彼女は、置いてきて良かったのか?」 僕は……馬鹿だ。馬鹿だから、少しでも長く、ポッターをこの場所に引き止めたかった。 未練なんか、山ほどだ! だからって……何でこんな話題を持ち出しているんだ。 他にだってあるだろう? 「へ?」 いや、駄目だ、やっぱり今のナシ、とか……通用しないだろうか。 「あ、いや、言いたくないならいい! 言いたくないだろう? それにお前の彼女のことなんて、お前が誰を好きかだなんて、僕には関係のないことだからな!」 って、僕は何を言っているんだ? いや、もちろん関係ない。関係なんかない。あってたまるか! 「ああ、マルフォイが心配することなんかじゃないよ」 ああ、そうだろうな。 僕はお前なんか気に止めていないんだ。 お前なんか……好きだって、言った事もない。片鱗すら出さない努力を重ねてきたんだ。鈍感なポッターが気付くはずなんかないんだ。 「で?」 「何が?」 「だから、お前は何か僕に言うことは無いのか?」 僕は、何を要求しているんだ……! いくら少しでも長くポッターと話していたいからって……いや、言うことはないだろう? 僕はポッターに弁解を求めているわけじゃない。 だから、ない。今のやっぱり、ない。 ポッターが僕に言うこと、じゃなくて、今の僕のこの言葉はナシだ。 僕はもっと、ほら、冷静であるべきだ。 お前なんか好きじゃないって、だから、今の言葉は、間違いだ。 「あの女、誰だ。彼女のせいで最近ここには来なかったんだろう? お前が僕を好きだって言ったのに……他に好きな奴でもできたんだろう?」 ああ、なんで……違う、そうじゃない。僕が言いたいことは、違うのに……止まらない。 「僕に飽きたならさっさとそう言えばいい! 勝手にそっちから近づいてきたくせに、僕から遠ざかるなんて、卑怯だ! 嘘だったならなんでもっと早くそう言わなかったんだ。嘘じゃなくても僕がもう要らないなら、先にそっちから言えばいいだろう? 僕を好きだって言ったくせに」 「………ドラコ!」 ……ポッターが、動いた所までは僕も見ていた。見ていたけれど、僕はポッターを詰るための言葉がどんどんんと溢れてしまって、それをどうやってとめようかって慌てていたから…… 「また来るって言ったのに、ずっと来ないし、普段は目も合わせないし、でも、来てくれないし、お前……わっ!」 急に手を引っ張られて、僕は……引き寄せられて……。 「ドラコ……」 僕は、彼の腕の中にいた。 ………? 想定外の事態に僕は何がなんだかわからない。 「ドラコ……嫉妬してくれているんだね!」 「………あ、えっと……嫉妬?」 嫉妬……はい、そうです。嫉妬、しました。 だなんか、言えるか!? 今更、どんな顔してそんなことを言えばいいんだ! 今までの僕はずっと気持ちを気合いを入れて隠してたんだ。今更ばれてたまるか! 今更なんだ! 言えるはずなんかない。 「嬉しい……嫉妬してくれてるんだ! 君が嫉妬してくれるなんて、嬉しい!」 「違う! お前が嘘を吐いているのが気に食わないだけで……」 「ああ、ドラコ、嬉しい。ごめんね、心配させちゃったかな。ああでも、嬉しいよ、ドラコ!」 ぎゅうぎゅうと力を込めて抱き締められる………僕はこうやって抱き締められたかった……はずなんだが……思ったよりも苦しい。 ポッターの胸に顔を押しつけられて、背骨は軋みそうだし、僕は窒息してしまいそうだった。 「さっきの、お前の、新しい、彼女、なんだろ?」 苦しいけれど、それでも何とか声を出して………。 口に出したら、悔しくて……涙が溢れてきた。 さっきのが、新しい彼女で、僕に飽きたんだろう? だって来なくなったじゃないか。もうお前は僕なんか要らないんだろう? 悔しくて……だってポッターは、僕のなんだ。 僕が誰よりポッターを見てきたんだ。きっと誰よりも早く僕がポッターと仲良くなりたかった。誰よりも長いこと、僕はポッターを見てきた。誰にも渡したくない。 やっぱり諦めるなんか無理なんだ。 彼が誰を見ていたって僕以外に視線を向けて笑いかけたって、僕は……僕は彼しかきっと見ない。僕を見なくなっても、僕はポッターしか見えない。 「ああ、マルフォイ、泣かないで、ごめんね。泣かないで」 もう、嫌だ。 「お前なんか大っ嫌いだ!」 大嫌い! どうせ僕に飽きるんだ。僕をすぐに要らなくなるんだ。 「大嫌いだ」 「ごめん。嫌いだなんて言わないで」 僕は……泣いて……。 だから、早く出ていってほしかったんだ。早く僕の事なんて置いて、この部屋から出て言って欲しかったのに……感情が、溢れて零れてしまった。 大嫌い! お前が愛しいって、だから、嫌いなんだ。ポッターを好きになったりしなければ、こんな苦しい思いをしなくて済んだはずだ。お前がいなかったら……だから、嫌い。話したくないって思ってしまうから、だから、嫌いなんだ。 「早く僕の前から居なくなれよ!」 僕は、涙声になっていて、それはとてもみっともなくて。 情けなくて、恥ずかしくて。 こんな、僕、僕は知らない。 ポッターだけには、こんな僕を見せたくないのに……。 「そうは言ってもね、ドラコが僕を放してくれないんじゃん」 「……あ」 ……僕は、気付かないうちに、ポッターの背に腕を回していた。腕を回して、ポッターにしがみついて、服を握って、 放したら離れていってしまうって……だって……。 「ねえ、ドラコ? さっきの女の子、気になる?」 僕は、ポッターの服を掴んだ。 離すことはできなかった。 放れるなんかできなかった。 少しでも離したら、ポッターがどこかに行ってしまうような気がして。 少しでも離れたら、僕の顔を見られてしまう。こんな情けない顔、ぜったいに見られたくない。 「気になるわけないだろ!」 「うん。彼女ねえ、ハーマイオニーが好きなんだって」 「……え?」 ………え? あれ? 「そう、なのか?」 僕は顔を上げてポッターを見た。 見てしまった。 見られてしまった。僕がこんなに泣いている顔を見られてしまった。きっと、ひどい顔をしているはずなのに……! 「ああ、泣いている顔も可愛いね、ドラコ」 「……グレンジャーはウィーズリーが好きなんじゃないのか?」 いくら僕が今までのポッター以外を眼中にすら入れてなくっても、あの二人が見ていて苛々する関係なのは誰の目にも明らかだった。 だから……彼女、じゃ、ないのか? なんだその嘘は? 「うん。だからさ、親友達には幸せになってもらいたいけど、ハーマイオニーが好きだって、自分はおかしいんじゃないかって、そんなこと言って泣かれちゃったら、放っておけなくてさ。なんか自分の事もあって、つい相談に乗っちゃった」 「……そうなのか?」 彼女はグレンジャーが好きだったのか? いや、でも、グレンジャーはウィーズリーが……? え? 今僕は何を考えているべきなんだ? いや、違う! 僕は! 「彼女の事なんか気にならないって言っただろう!」 そう言ったんだ。なのに何をベラベラ喋っているんだ、ポッターの馬鹿が! 「うん。ごめんね。言いたかったから勝手に言っただけだよ」 「僕はお前の事なんかっ……」 「うん」 「………」 ポッターの目が……とても深い緑色だった。 僕は、この色に恋をした。 僕がポッターを見ると、同じ温度で僕を見つめるこの緑色に…… 「知ってるよ」 「嫌いなんだ!」 「うん。僕もドラコが大好きだよ」 ………? まだ、お前は僕を好きでいてくれるのか? 「………ポッター?」 「良かった、本当はね、少しでも嫉妬してくれるかなって思ったんだ。予想以上の収穫だ!」 「僕はお前が嫌いだって言ったんだ!」 「うん、君が僕が好きだって知っていたよ」 「……え?」 今、なんて言った? 僕は、間違えて態度に出していた? いや、さっきので、気が付かれたって事は確かだろうが……。 「ずっと前から、君が僕を好きだって、ちゃんと聞いてたけど、寝惚けてる時だけだったからさ。ちゃんと好きだって言ってもらいたかったし」 「え?」 「寝てる時だけは素直なんだけど、ドラコは本当の気持ちは逆の事しか言えないから、ちょっとカマかけてみたんだけど、想像以上だったから……ごめんね、ちょっと、やりすぎちゃった」 「……寝てる?」 寝てるって……いつのことだ? 「うん。最近、何度も来たけど、ドラコがよく寝てたから、そのまま帰ったんだ。最近目の下にクマが多いからあんまりよく寝てないでしょう? だから起こせなくてさ」 ……僕が、気付かなかっただけで……ポッターは、ちゃんと、来ていたんだ……。 そのことを今更知って……嬉しいって……。 じゃ、なくて……もしかして、僕が夢だと思っていたのは、夢じゃなかった……のか? 「寝惚けてる時は、僕を好きだって言ってくれるし、可愛い顔で笑ってくれるし、ぎゅってするとドラコも僕を抱きしめてくれるし、僕のことをハリーって呼んでくれるのに……普段は可愛くないからさ」 間違いない、それは僕が見ていた夢とよく似ている状況だ。 「…………え?」 僕は、青ざめた。 僕が必死に隠していたはずだったのに、夢の中だって気を抜いていた時に、僕は……間違えて気持ちを零してしまっていたということか!? 好きだって言われると、微笑んでしまうのも、ハリーって呼ぶのも、ドラコってポッターが呼ぶのも、確かに夢に見た状況そっくりだ…… 「あ、いや、可愛いよ! 可愛くないって言っても、可愛いって思ってるけど、でももう少し素直になって欲しいっていう意味で、可愛くないって意味だからね」 いや……そこ、どうでもいい。 「って、お前、いつから僕をファーストネームで!」 「いつからって、結構前からだけど……やっぱり君が寝ている時が多かったかなあ」 「………」 なんていうことだ。 「だから、ドラコは僕のこと好きだって、解ってたんだけど。起きてる時は、好きだなんて言ってくれないでしょう? だから、彼女の相談にも載ってあげて、僕はドラコの反応を見ることができる。一石二鳥かなって」 ………想定外だ。 「僕だって、頑張ったんだよ。さっき、君が、出て行けって言われて、引き止めてくれなかったらどうしようかって思って、怖かったし。君が僕を意識してくれているのか見るために、最近なるべくこの部屋に近づかないようにしていたし」 まさかポッターの策に僕がひっかかってしまうとは……。 「ねえ、マルフォイ……僕の事好きになった?」 「嫌いだ」 「もしかして、ずっと僕の事好きだった?」 「ずっと嫌いだ!」 畜生。 最悪だ! 何もかもばれてしまった。 何もかも僕が今まで隠していたことが全部バレてしまった。 取り繕う事も出来ない。 ポッターの背中に回した腕が離れない。 「だって……お前は、ずっと他の女の子と色々……とっかえひっかえだったじゃないか」 飽きるんだろ? どうせすぐに。僕を手に入れたら、すぐに離れていくんじゃないか? 「とっかえひっかえって……」 「その通りだろうが! だから、お前になんか僕を上げてしまったら、すぐに飽きるって……思って……」 「だって君じゃなかったし」 「は?」 「いや、知らないと思うけど、いつからって意識したことはないけど、でも気が付いたら、僕はずっとマルフォイが好きでさ。でも君と付き合えるなんか思ってなかったし。色々遊んでみたけど、やっぱり君じゃないと駄目だった」 「いつか僕にだって飽きるんだろう?」 「さすがに年単位の片想い否定されるとムカつくなあ」 「……それでも」 「そんなこと、僕の方が心配なんだけど。ドラコは? ドラコは僕に飽きて僕から離れて行ってしまったりしない? 僕を捨ててどこかに行ってしまったりしない?」 それは……考えていなかった。 だって、僕の方が気持ちは強いって……思ってたから。 「ねえ……マルフォイ。僕の事好き?」 「嫌いだ」 「君の気持ちを変えることができたら、僕のことを好きになってくれるって言ったの、忘れてないよ。ねえ、僕は君の気持ちを変えることができたんだよね。いつから? ドラコはいつから僕を好きになってくれたの?」 「だから、嫌いだって言ってるだろ!」 「ああ、そうか……君だって初めから……」 ……しまった。 「なんだ……。ごめんね、気付いてあげられなくてごめんね」 「だから、嫌いだって! ずっと、最初から、僕は……」 ああ、もう、これ以上、取り繕う術がない。何をしてもボロが出てしまうだけだ。 「ねえ……ドラコ。ハリーって、寝ぼけてる時は僕のこと、そう呼んでくれているでしょう? ハリーって呼んで」 「……」 「ね?」 僕は離したくないって、少しも離れたくないって思っていたのに、ポッターが、僕たちの間に少し距離を開けてしまった。 鼻先がくっつきそうなくらいの距離だったけれど……僕は、だから、離れたくなかったのに……真っ赤になった目も、顔も、見られてしまった。 「……ハリー」 「素直じゃないドラコ。本当は?」 緑の目が、僕を……見ていたからいけないんだ。 ハリーが僕を触ると僕は、つい言う事を聞いてしまうのは、きっとこの瞳の色が原因なんだ。僕が大好きな色だから、素直に言う事を聞いてしまうんだ……。 「本当は、最初から、僕のこと、どう思っていたの?」 ハリーが、僕に、そうやって微笑みかけるから……。 「最初から、大好きだって言ってるだろう!」 僕は噛み付くようにハリーに口付けをした。 了 20130903 2年9ヶ月のブランクを経てしまいましたが、話を更新し始めてから3年11ヶ月もかかってしまいましたが、何とか完結させました。 お待ちくださっていた方が今更いらっしゃるのかどうか甚だ疑問ですが、このハリーとドラコを頑張って幸せにしました! 久しぶりでしたがハリドラって本当に可愛いなあって思いながら楽しんで書いちゃいましたので、楽しんで読んで頂けたら本当に嬉しいです。 UtatanEruの書くハリドラにお付き合い下さいまして、本当にありがとうございました。 UtatanEru 実 合掌 20130903 |