あとがきー
長らくご覧頂きましてありがとう御座いました。ようやくの完結です。4ヶ月近く……お疲れ、あたし! ドラコを幸せにしたい一心でようやくたどり着いた完結。相変わらずオチが弱いような気もしますが……。
7777ヒットのshimizu様にこのお話を捧げさせていただきます。sihmizu様ありがとう御座いました!
頂きましたリクエストは「光の続き、ハリー記憶喪失、色々あって、最後はハッピーエンド」でした。
素敵なネタをありがとう御座いました!
面白そうなネタだったので「色々あって」の部分に色々詰め込みすぎてこんなん長くなりましたが……。いや、一人視線なら20話程度なんでしょうが。両方視点はちょいキツかった長いよ……。
拍手や黒板での叱咤激励(特に今回のヘタレチャンピオンのハリさんに対して)もありがとう御座いました。本当に書く力になりました。
リクエストを下さいましたshimizu様を初め拍手等で励まして下さいました方、ご覧下さった方に心からの感謝と愛を捧げます。
少しでも楽しんで頂けたのならば光栄です。
本当にここまで読んで下さってありがとう御座いました!




もしよかったらもうチョットだけお付き合い下さいますか?






































「まったく、ハリーの手回しの良さには呆れるよ」

「用意周到でしょ。ドラコがおもっている以上に僕はやり手なんだ」

「嫌味を言ったんだ! 連日家の前にゴシップ好きの連中が押し寄せてきているんだぞ! ノイローゼになりそうだ」

「ゴシップって……事実じゃん」

「……タチが悪い」

「だってさあ……」

「お前があの時キスなんかしなければこんなことにはならなかっただろ?」

「仕方ないじゃん、したかったんだもん。それに、おかげでラウドだっけ?」

「ラウスだ」

「そう、そこ。あの家にだっていられなくなったし」

「誰のせいだ、誰の」

「え、まさか、あのうちの方が僕の家より居心地が良いとか……」

「そんなことは言ってないだろ。やり方に問題があると言っているんだ」

「しちゃったものは仕方ないじゃん。いやあ、まさかあのマルフォイの最後の一人が、魔法界の英雄であるこの僕と恋仲だったとは……しかも同じ学校のライバルだった。しかも男同士。記者達が飛び付きそうなネタだよねー」

「………」

「頭の固い貴族様には受け入れられないだろうね、毎日毎日玄関に記者がカメラもって張り込んでいたりしたら不名誉だもんね」

「……まあ、おかげであの家を追い出されたんだがな」

「ってドラコは思ってるかもしれないけど、僕だって交渉が大変だったんだから」

「マルフォイの財産を手放すことになってしまったがな」

「ね、けっこう溜め込んでたんだね、マルフォイの家ってさ。一生遊んで暮らせるくらいあったよね」

「そうか? あまりお金の事はわからないし何があるか解らないから使わないようにしていたが……」

「あれだけあれば僕なら仕事しないで遊んで暮らしちゃうよ」

「……なんか、確かに一人で暮らし始めてわかったが、服とか安く買えるモノなのだな。贅沢をしなければ仕事をしないで済むかも知れないが、毎年スーツやコートを新調しないようにとか……まあ使うこともなくなったし……」

「……本当にお坊っちゃんなんだね……まあ、お金なんて要らないよ、僕が稼いであげるし養ってあげるから! ドラコは身一つで僕の隣にいてくれれば、僕が世界で一番君を幸せにしてあげる」

「………」

「え? なに? 惚れ直しちゃった?」

「おかげで夕飯の買い物にも行けない。今だって誰かに見られている気がするんだからな」

「ああ、一人覗いているよ」

「……っどうにかしてこい!」

「えー、いいじゃん。見せびらかしちゃえばさあ」

「おい、ハリー! ちょっと。待て待て、やめろって。ボタン外すなっ!」

「何で?」

「何でって、見ている奴がいるんだろ?」

「とっくに家に魔法をかけて覗けないようにしてあるよ。見せつけたいけど、ドラコの可愛いとこ見るのは僕だけでいいんだから」

「………ハリー、馬鹿」

「ね、だから」

「………」

「しよ?」








「………うん」
















 絡めた指にはめられた互いの指輪が、かちりと音を立てた。















 その幸せな感触に目が覚める。







 ああ、朝なんだと、ぼんやりとした頭で思う。カーテンの隙間から射し込む光は白く部屋を照らしていた。


 外に出ている顔には冷えた空気が当たり、布団の中は二人分の体温で温まっていて、それがとても心地好い。

 僕は、手を伸ばせば届く場所にある温もりを抱き締める。暖かくて、安心する。
 人の体温がこんなにも心地が良いものだと、僕は彼に会うまでずっと知らなかった。


 ぼんやりと彼の顔を見つめる。
 愛おしさが込み上げて、起こさないようにそっとその唇に口付けをする。

 一度触れてしまうと、離れるのが惜しくなり、つい、何度も……。



「お早う」


 もう一度触れようとした、その唇が動いた。



「起こした?」


 やはり起こしてしまったのだろうかと、少しの罪悪感。まだ目覚めるのには早いから。
 それでも彼は、柔らかな笑みを口の端に伸せただけで……。


 つられて、僕も微笑む。






 ねえ………大好きなんだ。







 もう一度、僕達は唇を重ねて…………







 ずっと離れないで

 ずっと一緒にいようよ

 ずっとっていつまで?

 ずっとってずっとだよ

 離さないで

 もう、死ぬまで離さないから

 死んだら離すんだ?

 死んでも離れない



 ありがとう






 貴方を僕に与えてくれたことに感謝します。














070905