20091106 -04








 朝、目覚ましのスヌーズを何度も消しながら、ようやく起きた。何度目だろう……そろそろ起きなきゃまずいのは解ってるけど、解ってるけど……やっぱり、無理、眠い。

 さすがに身体がだるい。
 仕方がないけど、結局寝たの、明け方だったし。三時間ぐらいは寝れたんだろうか……いや、寝てないと思う。
 もともと皆勤賞なんて狙ってないんだから、このまま休んでしまおうかと思ってしまうぐらい、本当にだるい。


 僕は黒崎の腕枕で寝ていて……腕枕は寝ている時もくっついていられるから嬉しいけど……嬉しいんだけど、寝心地の面から言ったらあまりよくなくて、時々寝違える。今日は寝違えてはいなかったが、ちょっと首がだるいような気がする。僕だって首がだるいのに、黒崎は僕の頭が乗ってて、腕が痺れたりしないんだろうか。頭なんて人間の身体の中で一番思い部分じゃないか。

 結局、あのまま寝てしまったから……体温をダイレクトに感じる。服……着てないから、少しでも身体を布団から出すと、寒い。
 布団の中は温かくて、心地よくて、再び眠りに引き込まれてしまいそうになる。けど……起きないといけないのは解っている、けど……あと、3分なら……。



 休みの前の日だって、僕が眠かったり疲れてたりする時は二回で我慢してもらってるのに……そりゃ、僕だって枯れたジジイじゃないんだから、それなりにやりたいって欲求はあるけど、黒崎とするのは嫌いじゃないし、むしろ好きだけど……。

 腰が、痛い。

 まだ、黒崎が入ってるような気がする。


 結局、三回も黒崎は僕の中で出した。
 一回目は、黒崎が僕の中でイったけど、まだ治まってないようでそのまま抜かずに二回目。中で出したから、一緒にお風呂に入って、後始末してもらってる時に……黒崎がふざけて触るから……また、感じてきてしまって……結局、三回。最後お風呂から上がった後は、ほとんど記憶が無い。



「あ、石田、起きたか? おはよ」
「……ぁょぅ……」

 黒崎は、起きる事に抵抗が無いらしく、目が覚めたと同時に活動できるらしい。黒崎に憧れたことは一度も無いつもりだけど、これだけは本当に羨ましい。変われるものなら変わりたい。嫌いなものは特に無いけれど、強いてあげるなら『朝』が5位以内にはランキングされるくらい、朝が嫌い。

「じゃ、顔洗って来い」
「……ん」

 のそのそと、布団から這い出すと、今まで包まれていた暖かい温度との急激な差に驚いた。それに服を着てなかったのでとても寒かったから……。



 もう一度布団に戻ろうとした……ら、黒崎が布団を剥がしてしまった。

「…ぅー…」

 恨みがましい視線を送ると、黒崎は笑いながら僕の頭を撫でた。

「遅刻するぞ」
「………」
 うるさい、誰のせいだと思ってるんだ。こんなに眠いのは君が三回もするからだろう!? って、きっと僕は言いたかったんだと思うけれど、眠くてまだ頭が回らない。
 床に投げ出されたパジャマを羽織って、とりあえず顔を洗うために洗面台に向かった。早く着替えないと、風邪ひきそうに寒い。





 洗面台の鏡には、まだ半分寝ている僕が映っていた。


 その、首に、黒崎が、夜、くれたネックレス。
 ただの何もついてないチェーンだけど、確かにこれならずっと付けていられるし……やっぱり黒崎僕のことちゃんと考えてたんだろうなって、そう思って。

 こんなに今眠いけど、今日一日頑張れば、明日休みだし、ちゃんと僕の誕生日、覚えててくれたし。
 許してあげてもいい。



 それで、顔を洗おうとして


 指に……指輪がはめられている事に気付いた。薬指……。



「……これ」


 スモークシルバーの、ちょっと太めの、シンプルな指輪。

 昨日黒崎がしていたものだ。

 指輪を外すと、内側に、「1106 I to U」それだけ、彫られてた。


 それだけだったけど……一護から雨竜へって……僕の指に自然と出現したものではなくて、黒崎が僕の寝ているうちに僕の指にはめたことぐらいは解ったけど……


 だけど、黒崎の指と僕の指じゃ僕の方が少しだけ細いはずだ……僕の指にはちょうどだった。確認してないけど、でも、昨日は黒崎だって薬指にしてたから……サイズが違うのだとしたら、違うもの?




 まさか、ペアリング……とか?



 どんな顔で黒崎はこれを買ったんだろうとか、考えると笑ってしまいそうになる。

 ペアリングだなんて、なんて恥ずかしい奴だとか思ったけど……僕は緩む頬を押さえきれない。



 ふと、顔を上げると、鏡に、僕と、昨日くれた黒崎のチェーン。
 昨日、黒崎が言ってた言葉を思い出した。

『ずっと身に着けてて欲しいから、これにした』

 ……だったら、もしかして、このチェーンって…




















 顔を洗って戻ると、チェーンに通された指輪が僕の首に下がっているのを見て、黒崎は満足そうに微笑んだ。


















091106
15700










2009年11月6日、雨竜お誕生日企画をされているサイト様があって、身の程もわきまえず私ごときがテンション上げてしまってうっかり寄稿したものです。しかもエロ。
ようやく出した。