陽のあたる場所 18



 





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 俺は呆気なく銀時の手で果てた。




 銀時の胸の上に体重を預け、荒い呼吸を繰り返す。息がつまる。
 腕に力が入らない。銀時に密着している。重いかもしれないと身体をどけようとするが、力が入らない。

 こんな風に、身体中でくっついて……もっとくっつきたい。皮膚と言う皮膚全てでお前に触れたい。








 俺達の世界が崩壊した時に、俺はお前が壊れてしまうのではないかと思ったんだ。おまえが一番壊れてしまうかと思ったんだ。

 お前が壊れてしまうなら、俺が先に壊れたかった。

 もしお前に呆れて見捨てられたとしても、お前のそんな姿を見るくらいなら、俺が先に壊れてしまえばいいと思ったんだ。

 先に俺が壊れてしまえば、近くで見ているお前は壊れることができなくなるだろう?
 お前の優しさはひどく他人に気を使うんだ。

 俺が泣いていたりしたら、お前は泣けないのだろう? お前の優しさは見ていて痛いよ。だから俺はその弱味につけこもうと思ったんだ。
 お前には俺にとって至上の価値があるのだから。



 もっと、お前に触れたい。
 もっと、近い場所に行きたい。

 もっと……!


「っあ、ん」



「ここに入れんだよな?」


 指が、銀時の指が、後ろの入り口をなぞった。
 幼い頃から一緒だった。共に風呂にも入ったこともあるし、全裸で川遊びをしたことすらある。それでも、触れたことのない場所。俺がお前にこんな気持ちを抱きさえしなければ、けっして触れることすらなかった場所。それでも、そこで、銀時を受け止めたいんだ。


 そこに触れられるだけで、勝手に腰が揺れる。


 触ってくれよ、もっと。


 銀時の指は、今俺が出した物で濡れていて、その指をすんなりと受け入れた。

「んっ……」

 指の感触が……本当はあまり好きではなかったのに。異物感があってあまり好きではなかった。もっと、何もかも吹っ飛ぶような刺激が良かった。

 でも、なんだろう、これは。

 その指が、銀時だと思うだけで……誰でもない、本当の銀時のものだと思うだけで。
 羞恥と……、歓喜と。

「ふ、ぁ……あ………んっ」

 熱いんだ。
 溶ける。


「ここ、そんなに気持ちいい?」

 俺は言葉に出来ずに、何度も頷いた。
 気持ちいいんだ。


 おかしくなりそうだよ、銀時、気持がちいいんだ。



 でも、もっと、もっとお前を感じたくて。



「もう、こっちもまた固くなってるぞ」


「っん……!」



 入れて欲しい。

 お前を受け入れて感じたい。




「こんな所に入んのかな」



 銀時が俺の腰を掴んだ。



「待て、銀時」

「ん?」

「………俺が……する、から」


 俺がするから、お前は俺を感じてくれ。お前は俺を感じていてくれればいい。それだけでいい。

 力が入らない手で銀時のを入り口に宛がう。

 ……銀時の。これが。



 ゆっくりと、そのまま腰を落とす。



          銀時が、中に入ってくる。




 相変わらずのぴりぴりと入り口が広がる痛みと。




 それをも凌駕する快感と。




「あぁ……ああ」



 少しずつ、ゆっくりと銀時の中に身を沈めて行く。

 繋がった場所でえた快感が背骨の中を伝って、頭の中で弾けている。

 銀時が中に入ってくるんだ。



 頭の後ろ側に、火花が散る。
 くらくらと、目眩がする。


 色とりどりの世界は、原色に変わる。それはあんなに高くて、空はどこまでも広いのに、俺たちしかここにいなくなる。俺達が膨らんでそこが世界になる。





「へえ、こんなちっちゃい所に入っちゃったよ」




 中が一杯になる。身体中が、銀時で溢れている。



 身体中が銀時で一杯になるんだ。


 お前が俺の中にいる。




「んっ……あ」


 銀時が、腰をゆるりと動かした。

 ぞくりと皮膚が泡立った。身体が、繋がったその場所から言うことをきいてくれなくなる。身体が、のけぞった。



「っ! ばか……待て俺が!」


 俺がするんだ。
 俺がお前を気持ち良くするんだ。俺で、お前が気持ちよくなって欲しいんだよ。


 そう、思ったのに。そう、言ったのに。

 銀時は下から突き入れて、俺の中を突き刺すように。俺の身体の中をえぐるように。



 戦いの時のお前は荒々しく。


 俺の中が一杯になったまま、掻き回される。身体中が、お前で溢れる。

 戦いの時のお前は、鬼のように。強く。


 俺は、お前に憧憬を抱いているのだ。お前のようになりたい。 そして、女みたいに、強いお前のその腕に抱かれたいと……。



「銀時っ!」



「悪ぃ、止まらねえ」


 まだ正気を保っていた時に見た銀時は、見たこともない顔をしていた。見たこともない顔で、俺を感じてくれていた。

 きっと俺も同じ表情をしているんだろう、お前を感じて、息が苦しくて、気持ち良くて嬉しいんだ。

 気持ちがいい。
 お前が気持ちいい。


 身体中が溶ける。空気にも溶けてしまう。火照って熱い。
 もっと、もっと欲しい。
 昇る。感覚がまとまって集束される。収斂された束はそのまま収縮され弾ける。





「銀時っ!」





 限界………っ!






 頭の中で弾けた。

 チカチカと。視界も砕け散る。





「っ!」

 銀時が小さな呻き声を上げて、俺の中を強く突き上げる。

 身体の中で熱が弾けた。








 重力がわからない。重力はどっちの方向を向いて働いているのだろう。
 落ちているのか、倒れているからか?



 わからない。
 飛んでしまって。


 でも、繋がった場所だけははっきりとした意識があって……
 ふわふわと漂っているようだ。
 なんて心地好いのだろうか。




 びくびくと俺の中で銀時が震えているのが、愛しい。


 お前が、俺でこうやって気持ちいいって、そうなってくれたことが嬉しくて。



 銀時。
 お前が愛しいんだよ。












 お前が壊れるくらいなら、先に壊れてしまいたかった。もしそれでお前に見放されても、お前はもう俺を見ているから、壊れるなんてできなくなるだろう?


 おまえが愛しいんだ。





 変わるなと。



 それは、大変なことだ。

 この世界で、この戦いの中で変わるなと。



 ああ、でもおまえがそれを望むなら。




 俺はいつまでも俺のままで、一番銀時の近い場所にいるよ………もし、生きる道を違えても………せめて心だけはずっと……


































071029
長々お付き合いすんません。
アフロマニアのVERY VERY って歌聴いてて思いついたネタ いいのかなあとかおもいつつ歌詞書いてみた → 
いつだって僕らは希望で力強く咲いてるんだよ!
例え何があっても何度でも立ち上がるんだよ!
僕らは明日を照らす強い光でありたいんだよ!
攘夷じゃん! 攘夷の銀ヅラじゃん!! とか、カラオケで聞いて興奮しながら妄想。
この銀ヅラで、紅桜編だと嬉しい。そいで竜宮城編だと嬉しい。

このあと、テンション高めで一本予定してますが、いつになるのかはわかりません。しばらく銀魂は絵で行こうかと……


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