陽のあたる場所 17 



 





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 俺を見つめる瞳。
 ああ、これは銀時だ。


 紛れもなく。
 



 それだけで、本当はいいのに。それだけで身体中の力が抜ける。
 抜けて、銀時の首筋に顔を埋めた。銀時の匂い。


 暖かい。銀時の体温。
 少し、熱い。

 温もりを通して伝わる鼓動がいつもより早い。



「緊張しているのか?」



 まさかとは思ったが………。




「当たり前でしょ? これから初めて男を抱こうとしてんだから」


「抱いて、くれるのか?」





 意外だった。

 決して、お前は俺に触れないと思っていたから。

 寝ているのだから、気付かない振りをするんじゃなかったのか?

 気付かない振りをするなら、それでいいと思った。それでいい。俺達の仲を変えたくないのであれば、気付かないふりをしてくれていていい。
 ただ俺はもうお前の近くにいて、お前に触れられないことが限界なんだ。だから、せめて俺に気付かないふりをしていてくれればいいと……。








 お前は俺に変わるなと言う。

 女扱いされるのは昔から嫌いだった。それでも髪を伸ばしたのは、おまえに触れてもらいたかったからで。それでも、おまえがずっと……その頃から好きだったんだ。

 おまえは俺に変わるなと言う。
 正気を保つことの方が難しい戦場にいて、変わるなと……それは、とても重たい。


 お前がそう望むなら、俺は誰にもお前の代わりを求められないじゃないか。だったらお前に触れるしかないだろう?


 だから………



 俺の気持ちと俺の行為に気付かないふりをしてくれれば良いと、そう思った。






「誘ったのお前の方じゃん」




 手を伸ばせば、銀時のが硬く勃ち上がっていた………俺のと同じ。

 前に触れた時に思ったが………。

 嬉しい……嬉しかった。

 俺でこうなってくれるのが、俺には嬉しかった。
 友情を切り捨てられなかったからの同情でもいい。

 お前が俺でこうなってくれたことに、俺は歓喜する。


 銀時の、固い……。


 着物の併せ目から手を滑り込ませて、直接触れる。
 握ると、その熱が伝わった。
 熱い。
 柔らかく触れる。これが、銀時の……形を確かめるように、触れる。

「俺さ、男としたことないんだけど」

 知っている、そんなこと。どれだけお前のそばにいたと思っているんだ。お前が誰と関係を持ったのかだなんて把握している。


「俺が、するから……」


 全部俺がしてやる。
 お前は俺を感じてくれればいい。
 手のひらで包むように、銀時のを握り締める。熱い。
 熱くて固い。
 動かすと直ぐに、先端からぬるぬるとした体液をこぼし始める。それを指先で弄る。

 俺の手で感じてくれているのが嬉しかった。


「銀時、触ってくれ」


「どこ?」


 どこでもいい。
 お前に触れて貰えると思っただけで、もう心地好いんだ。

 着物の襟元から、俺の身体に銀時の手が触れた。
 身体中を甘い痺れが走るようだ。
 銀時の手が、俺の肌を滑る。硬くて豆だらけの手は皮膚にチクチクとした刺激を与えたけれど、それすら心地好い。

 お前に触れるだけで熱くなる。触れて貰うと思うだけで勃ち上がるのがわかる。


「あぁ、」

 気持ちが良い。



「へえ、こんなんで気持ちいいの?」

 気持ち良いんだよ、お前の手は。
 惚れた相手とするのは……銀時に触れてもらえたらどんなにか心地好いのだろうかと、ずっと、考えていた。今わかったよ。
 想像以上にお前に触れてもらうのが一番心地好い。


「じゃあ、ここは?」


 そう言って、銀時は俺の襟元をはだけさせて、胸に顔を寄せた。
 ちろりと、皮膚に生暖かな感触がして、俺の身体は熱を増した。


「そこはっ!」

「ここは、何?」


 下を向くと銀時は、俺の好きな少し皮肉気な顔で、それでも優しい笑顔で……。

 心臓が、跳ねた。
 鼓動が早くなる。


 ああ、銀時。
 お前が好きなんだ。

 陽の光を浴びて、俺の影が銀時に落ちている。こんなに近い距離にお前がいる。

 顔を寄せる。
 口付けをしたいんだ。
 お前を感じたい。少しでも内側に入ってきてほしい。

 俺の口付けを受け入れてくれた。
 唇が柔らかく触れる。湿った感触が歯列を割って口の中を蹂躙するのが、堪らない。

 唇での交わりに夢中になる。気持ちがいい。蕩けてしまう。身体中の力が抜けて、骨がなくなり血液だけになってしまったように。


「……あっ!」


 口付けばかりに気をとられていた。
 銀時が、俺のを掴んだ。



「すげ。もうカチカチじゃん」

 嘲笑するような口調が堪らない。言葉で煽られる。声で煽られる。銀時の声を聞くだけで、昇る。

「……だって…」

 銀時の手が熱い。
 今まで何度となく他人に触れさせたことのある場所だった。


 それでも、こんな風にはならなかった。
 熱くて溶ける。


 触れられている、その場所だけで、身体中が……髪の毛一本一本までが、熱くて溶ける。俺がこの場所から溶けていなくなりそうなんだ。俺が空気の中に溶けてなくなってしまいそうなんだ。


「だって、何?」






 ………お前が触るから。


















071025
すんません、エロシーン体力使うから、次は短いけど次で終わりー。